よく考えれば当たり前なのだが、缶詰メーカーは「缶」そのものを作っていない。仕入れた缶に中身を充填し、フタをして巻き締めたものを自社製品として出荷しているのみである。缶に限らず、ガラスびんやPETボトル、紙パックやレトルトパックでも、中身を売りたい企業がそれぞれ包装容器まで自前でイチから作っていたら大変な設備投資になるはずで、外注化は歴史の必然であったろう。
さて、缶詰をしげしげと見ていると、隅のほうに印刷されている小さなマークに気が付かれることと思う。実はこれが「缶」自体を作っている製缶メーカーのマークで、見分けることにより缶の出どころを知ることができる。
国内メーカーで鯖水煮缶へのマーク表記が確認できるのは以下の3社。
mark_toyo東洋製罐
mark_hokkai北海製罐
mark_daiwa大和製罐

ラベルデザインは缶詰メーカーからの仕様次第なので、製缶メーカーが必ずしもマークを表記できるとは限らないし、また、紙ラベルを巻く無地缶には当然何も印刷されないが、見つけたときには缶詰の業界構造などに思いを馳せられる興味深いマークではある。